GAG2022参加アーティスト/北浦雄大

北浦雄大 YUDAI KITAURA

漆という素材と、漆の原点ともいえる縄文時代の「漆を塗
るという行為」の持つ精神性を通して、自己の周辺の事物
や経験を再思考・再構成して制作を行う。
2021年からは奈良の正倉院蔵の宝物に学ぶ。

 

北浦雄大 コメント
子供の頃、夏になると海で石や貝殻、陶片、流木など拾い集めた後、
伊勢の神宮に参詣し、マコンデ美術館に行くのが好きだった。今思え
ば、自然物のヒエロファニーが芸術に昇華されるのを間近に感じられ
るものであり、今の表現意欲の根源になっていると思う。
大学で漆に出会い、その塗料の泥臭さと質感に惹かれ、縄文と漆の関
係を探ってきた。縄文時代の漆芸品は精神世界を支える役目が強く、
土器・櫛・祭祀具など、再生への気遣いがあるものに施された。漆の
艶に血色を想起させる赤色顔料を混ぜるなど、死生観に直結する塗料
であったのではないかと考える。このような非合理的な道具・行為・
遺構などを軸に、寺社仏閣に残る縄文的レトリカルな存在に惹かれ、
制作している。
2021年からは、奈良で正倉院宝物より伝わる厚貝の加飾技法について
学んでいる。日本とシルクロードにおける、道具・装飾・文様の存在
などにも興味があり、今後作品に取り込んでいきたい。

 

北浦雄大 略歴
1994年 奈良県生まれ
2017年 国際瀧富士美術賞 優秀賞 受賞
2018年「京都市立芸術大学卒業作品展」市長賞 受賞
2018年京都市立芸術大学美術学部工芸科漆工専攻 卒業
2018年「漆芸の未来を拓く – 生新の時2018」(輪島漆芸美術館/石川)
2018年「池袋アートギャザリング2018」(東京芸術劇場/東京)IAG奨励賞 受賞
2018年「アジア漆工交流プログラムinカンボジア」(Angkor Artwork/カンボジア)
2019年「自由に生きる IAG ARTIST SELECTION 池袋回遊派美術展」(東京芸術劇場/東京)
2019年「ことだま – 浮上と継続 - 二人展」(艸居ギャラリー/京都)
2020年 京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程漆工専攻 修了
2021年 京都市立芸術大学非常勤講師(~現在)
2021年「京芸 transmit program2021」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA/京都)
2021年「SPIRAL INDEPENDENT CREATORS FESTIVAL 22」(SPIRAL/東京)
2021年「3331 ART FAIR 2021」(3331 Arts Chiyoda/東京)
2021年 奈良伝統工芸後継者育成制度 研修生(~現在)
2021年「創工会 新進作家五人展」(京都文化博物館/京都)

1994年生まれ。滋賀県出身。

 


北浦雄大「月 阿吽」〔2021年〕

 

展示会場

> 柳ケ瀬画廊会場                         

> 会期中、加藤栄三・東一記念美術館(岐阜市)でも作品が展示されます

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